日台間におけるビジネスマッチングで、良いパートナーとなり得る可能性があるにも関わらず、成立しない理由の一つに企業間のビジネスに対するスピード感の違いによる頓挫をよく見かけます。
もちろん日本でも業界や企業によっても 見かけることですが、日台間では総じてよく見かけます。
なぜ台湾企業の決断は早いのか
台湾企業のトップマネジメントと話をしていると即断、即対応がビジネスの基本と考えている方が本当に多く感じます。
一つの背景には台湾企業の多くは急成長をしてきた中国市場で、厳しい市場競争を勝ち残ってきた経験がそうさせている要因とも言えるかもしれまえん。
重要な事柄も、その場で判断できるようなスピードがなければ、市場での競争で出遅れる、もしくは競合企業に商談を奪われてしまうというような状況が彼らの行動、判断のスピードを上げて来た要因だと考えています。
それに対し日本の特に製造業では開発スピードや、商談における物事の進め方のスピードは彼らとは全く違います。
商談をして、見積もりを入手、部内での吟味、そして企業規模にもよりますが、トップマネジメントへのプレゼン、稟議、などなど様々なプロセスを経る必要があり、最終結論が出るのに一ヶ月以上、数ヶ月、1年以上かかるケースがあります。
特に海外企業との商談になるとさらに慎重となる傾向が多く、さらに時間がかかる傾向があります。
どのように台湾企業は日本企業を見ているか
昨今の台湾からの訪日人数を見ても分かる通り、日本は台湾にとって人気の国の一つです。
日本政府観光局による資料によれば、2016年の訪日外国人約2400万の内、約420万人が台湾からの訪日外国人として報告されています。ちなみに、台湾の人口は約2400万人ですから約5人に1人の割合で日本に来ている計算になります。
訪日外客数(人) | 比率 | |
中国 | 6,373,564 | 26.5% |
韓国 | 5,090,302 | 21.2% |
台湾 | 4,167,512 | 17.3% |
総合計 | 24,039,700 | 100% |
引用元:日本政府観光局 統計データ
製造業においても昔から多くの日本企業が現地工場と技術提携や交流をして来た経緯もあり、技術や品質管理など日本のそれと変わらず、もしくはそれ以上に進んでいる企業も存在します。
また、台湾の製造業は多くの世界企業からのOEMビジネスによって発展をして来た歴史的背景もあり、日本だけでなく世界の優れた技術を学ぶ姿勢はとても高いと言えます。
品質管理や工程管理、技術開発力の高い企業からOEMとして製造委託を受けたいと考えている企業が多いというのも台湾の製造メーカーの特徴の一つではないでしょうか。
三ヶ月で結果が見えないビジネスには手を出さない⁉︎
これは半分冗談のようで半分真実のような台湾企業のビジネススタイルです。
例えばOEM生産委託の話を台湾企業に持ち込み、商談の話となった時にオーダーの時期の話題が出て、予定が半年から1年先と分かった途端に、台湾企業の今まであった勢いが急に減速してしまったかのように表情が変わるのを何度も見てきました。
長期的なビジネスプランを嫌っている訳ではありませんが、優秀な台湾企業が目まぐるしい市場の中で生き残って行く為に考えている事を表す一つのメッセージだと思います。
そんな彼らのビジネスに対する姿勢は見習うべきところでもあり、理解しておく事で台湾企業とのビジネスがスムーズに運ぶポイント一つと言えるでしょう。
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